一般ニュース 5月2009年

27/05/09 パース空港への支払いが不可能となりオズジェット社に管財人
27/05/09 パイロットや地上係員などを対象に麻薬・アルコールの抜き打ち検査
27/05/09 2月に発生した森林火災の威力は広島原爆の1500倍−ビクトリア州
20/05/09 オーストラリアと韓国が自由貿易協定に向けた正式な協議を始める
20/05/09 住民投票で夏時間の導入は否決 − 西オーストラリア州
20/05/09 シドニーへの運航開始に一歩近づく − エアアジアX
13/05/09 エアバスA330の整備業務を豪州に戻す − カンタス航空
13/05/09 3月の豪州の貿易黒字は25億ドルとなり、8ヶ月間連続で黒字
13/05/09 夜間の離発着禁止時間帯に出発して罰金 − ジェットスター航空
06/05/09 政策金利を3%のままで据え置き − 豪準備銀行
06/05/09 4月としては1957年以来の寒い朝となる − メルボルン
06/05/09 公定歩合を過去最低の2.5%に − ニュージーランド準備銀行

                                                 

05月27日2009年 パース空港への支払いが不可能となりオズジェット社に管財人
  パース空港がオズジェット(OzJet)社の未払金を問題視したことにより、オズジェット社のオーナーが管財人を任命した。 オズジェット社の広報担当は、昨年5月に同社を買収しオーナーとなったHeavyLift Cargo Airlinesが管財人を任命したことを認めた。 オズジェット社は、基本的にはチャーター専門の航空会社であるが、PerthとDerby間の旅客輸送サービスを行なっており、またインドジェット社の代わりに、パースからバリへの運航を申請している。 
  オズジェット社は昨日、パース空港からのB
737の運航を一時停止することを発表し、「航空事業契約の中に貨物機を追加することが出来なかったことが、収入不足の原因となった」と話した。 
  パース空港のブラッド・ゲアチェスCEOは日刊紙オーストラリアン紙に対して、「未払金が何十万ドルにも達したため、オズジェット社の取り扱いを拒否した。 彼らは
未払金の返済に関して何度も約束を破ってきた。 その結果、親会社であるHeavyLift Cargo社も、これ以上オズジェット社を支援しきれないと、先週我々に連絡してきた。 これにより、未払金の回収リスクが非常に高まってきた」と話した。 
  オズジェット社もパース空港に多額の未払金が残っていることを認め、この負債は前のオーナーから引き継いだもので、金額自体は少なくなっているとしている。 また同社はインドジェット社に対しても多額の負債があることも明らかにした。 (Source: Travel Today, 21/05/09 "
Administrator called in as OzJet faces battle")
05月27日2009年 パイロットや地上係員などを対象に麻薬・アルコールの抜き打ち検査
  今月からオーストラリアの航空安全規則の新しいシステムとして、パイロット、管制官、手荷物係員などが麻薬・アルコールの抜き打ち検査の対象となる。 民間航空安全局(CASA)は、航空機の整備や管理にかかわる安全に細心の注意を払うべき職員を対象に検査を実施する。 
  CASAのピーター・ギブソン広報担当は、「航空機の乗務員、整備士、燃料補給職員、航空管制官など12万人が、過去数年間検討されてきたこの新しい検査システムの対象となる。 今回の対象範囲は、航空機の安全性に影響がある職員を含めた国際的で公平なものである。 手荷物の係員も、ターマックで航空機に定期的に接触することから対象となる」と話した。 
  今回の検査システムでは、最初の検査で航空会社職員、政府職員、整備職員、地上係員にアルコールの血中濃度が0.02%を超えていることが発見されれば、直ちに職務を停止し、2回目の検査を行い、医者に所見を求める。 もし医者がアルコール依存症と診断すれば、その職員はリハビリに回される。 また常習性でない麻薬やアルコールの服用者は、一定期間後仕事に復帰できるが、5,500ドルまでの罰金が科せられる。 
  今回の抜き打ち検査導入の決定は、2002年ニュージーランドのハミルトン・アイランドで発生した、4人のニュージーランドン人家族を含む6人が死亡した墜落事故がきっかけで、後日警察はパイロットの車の中から大麻と吸引器を発見した。 (Source: Age, 13/05/09 "Aviation sector faces widespread drug testing")
05月27日2009年 2月に発生した森林火災の威力は広島原爆の1500倍 − ビクトリア州

  2月に発生したビクトリア州の”黒い土曜日(Black Saturday)”と呼ばれる森林火災について調査している委員会”Royal Commission”は、今回の火災は広島に投下された原爆の1,500倍の威力があったとの報告を受けた。 
  メルボルン大学Fire ecologistのケビン・トルハースト教授は、2月7日に発生した森林火災について、地図で示した進行状況と激しさをまとめた報告書を委員会に提出した。 報告書によると、今回の森林火災が発したエネルギーは、ビクトリア州で1年間に消費されるエネルギーと同等であるとしている。 
  トルハースト教授は、「災が35メートルの高さになり強烈な熱を発し、破壊的な勢いであった。 人々は安全を確保するために、少なくとも150メートルは炎から離れていなければならなかった。 ”黒い土曜日(Black Saturday)”は非常に強力で、天候状況も変えてしまうほどであった。 火災は独自の微気候を作り、樹木が折れてしまうほどの時速120キロの風を発生させていた」と委員会で証言した。 (Source: ABC, 21/05/09 "Bushfires as 'powerful as atomic bombs")

05月20日2009年 オーストラリアと韓国が自由貿易協定に向けた正式な協議を始める

  オーストラリアのサイモン・クリーン貿易相は、貿易と投資の関係を強化するために韓国のKim Jong-hoon貿易相と今日メルボルンで会談し、これにより両国は正式に、FTA(自由貿易協定)の締結に向けた協議を開始することになった。 
  クリーン貿易相は、「オーストラリアと韓国がFTAの協議を開始することになったことを嬉しく思う。 両国にとってFTAの締結は、我々の商業的な関係の発展を考えると自然な流れである。 我々は韓国との包括的なFTAを望んでおり、すでに安定した商業的な結びつきによる昔ながらの輸出品目の拡大を促進し、またサービスや投資の面での市場開放を求めたい。 今日のKim貿易相との話では、我々にとって優先的な事項の概要と、協議の期待を話し合っただけだが、今週は事務方による大変建設的な協議がなされると信じている」と話した。 (Source: The Hon Simon Crean MP, Australian Minister for Trade, Media release, "Free Trade Negotiations with South Korea Underway")

05月20日2009年 住民投票で夏時間の導入は否決 − 西オーストラリア州

  西オーストラリア州は、サマータイム(夏時間、Daylight saving)の導入の是非を決める、過去40年間で4回目となる住民投票で導入を否決した。 過去3年間の試験的なサマータイムを実施したあとの、今回の住民投票の投票率は56%で、その70%以上の住民が導入に反対し、同州の歴史の中でも最も多い否決票数となった。 
  導入賛成派のマット・バーニー氏は、「今回の結果については大変失望している。 約50万人の住民は導入に賛成してくれたが十分ではなかった。 しかし、過半数の住民の意志は尊重し、サマータイムの導入問題はこれで終止符が打たれたことになる」と話した。 前回の19992年に実施された住民投票では、導入反対票が53%、賛成票が47%であった。 これによって、サーマータイムを導入していないオーストラリアの州は、西オーストラリア州とクイーンズランド州だけとなった。 (Source: ABC, 16/05/09 "WA voters reject daylight saving")

05月20日2009年 シドニーへの運航開始に一歩近づく − エアアジアX
  マレーシアの長距離格安航空会社エアアジアXは、最終的に妥当な条件がシドニー空港側から提示されたとして、契約締結に前向きである。 しかし、同社の最高経営責任者のAzran Osman Rani氏は、シドニーへの就航は、マレーシア政府の判断が依然障害となっているとしている。 
  クアラルンプールに拠点を置く同社は、まだシドニー空港とは契約を結んでいないが、Osman Rani氏は、「シドニー空港側の条件は、我々にとってベストではないものの、以前の条件よりは妥当なものとなっており、まだ契約に署名はしていないが、そうする方向である。 ニューサウスウェールズ州の州都であるシドニーへの運航コスト増は、貨物収入により相殺されることになる」と話した。 これにより長期に渡るシドニーへの就航活動の最後のポイントは、クアラルンプールとオーストラリア間の運航便数を決めるマレーシア政府の判断に委ねられることになった。 
  Osman Rani氏は、「我々はマレーシア政府の許可が必要で、同政府は許可をすると言いつつも、いつ出されるのかは我々には分からない。 ひとびとはなぜ同政府の許可が遅れているのかと聞くが、それは我々が知りたいくらいだ」と語った。 同氏は、マレーシア政府がマレーシア航空を守るために、許可を遅らせているのではないかとの噂にはコメントせず、クアラルンプール/シドニー線のデイリー運航が今年の末までに実現することを期待している。 (Source: Travel Today, 13/05/09 "AirAsia X closes in on Sydney deal")
05月13日2009年 エアバスA330の整備業務を豪州に戻す − カンタス航空
  カンタス航空は今朝、同社が保有するエアバスA330の整備業務をオーストラリアに戻すと発表した。 ブリスベンにある同社の重整備施設には510人の従業員が働き、現在整備業務を行なっているボーイングB767に加えて、エアバスA330の整備作業を行なうとしている。 現在のエアバスA330の整備業務は海外に委託している。 
  カンタス航空は現在22機の
エアバスA330を保有しており、10機はA330-300で、残りの12機はA330-200であり、そのうち6機は現在ジェットスター航空が使用している。 また新しい2機のエアバスA330が12ヶ月以内に納入される予定である。 エアバスA330のブリスベンでの整備作業は来年初めから始まる。(Source: LLDCN, 11/05/09 "Qantas brings A330 maintenance back to Australia")
05月13日2009年 3月の豪州の貿易黒字は25億ドルとなり、8ヶ月間連続で黒字
  オーストラリア統計局(ABS)が今日発表した統計によると、オーストラリアの3月の貿易黒字が2月を7億4,600万ドル上回って25億ドル(季節調整済み)となった。 
  マーティン・ファーガソン貿易相代理は、「3月の貿易黒字額は過去2番目に多く、これでオーストラリアの貿易収支は8ヶ月間連続で黒字となった。 世界経済が急速に悪化しているにもかかわらず、オーストラリアの輸出が引き続き好調であることを嬉しく思う。 世界の経済環境は引き続き悪化し、IMFは今年の貿易量が11%落ち込むと予想してる」と話した。 
  3月の輸出は2月の好調を維持して246億ドルとなり、特に穀物(主に小麦)の輸出額が41%伸びて8億5.900万ドルとなり、輸出量は51%増加している。 その一方、石炭の輸出額は5%減少して2億1,000万ドルとなり、これは4月1日から始まるコークス用炭の新規契約の価格が59%下がることにより影響を受けたものである。 3月のEUとアメリカへの輸出は両国の景気後退により減少したが、中国向けは23.3%伸びている。 日本向けは2.8%、韓国向けは4.4%増加し、アセアン諸国向けは28.3%増えた。 
  輸入については、自動車が33%増、テキスタイル・衣料・履物が21%増えたのを含め消費材全体が15%増加したものの、資本財が12%減少し、3月全体の輸入額は3%(7億3,000万ドル)減少した。 (Source: Acting Minister for Trade, Martin Ferguson AM MP, 06/05/09, "Exports Continue to Hold Up in Turbulent Economic Times")
05月13日2009年 夜間の離発着禁止時間帯に出発して罰金 − ジェットスター航空

  ジェットスター航空が、シドニー空港の夜間離発着禁止に違反したオーストラリアで初めての航空会社となった。 2007年12月3日の午後11時28分にジェットスター航空のフライトがシドニー空港からインドネシアのデンパサールに向けて離陸した。 同社はシドニー空港での午後11時以降の離発着を禁止されていることは十分に認識していた。 
  シドニー・ダウニング・センター地方裁判所は、ジェットスター航空が11時以降でも離陸できる特別な許可を求めていたが、2度に渡って拒否されたことを指摘した。 デービット・ヘイルペム判事は、「ジェットスター航空は、違反の事実を考慮し、離陸するのではなく、フライトをキャンセルすべきであった」として、同社に14万8,500ドルの罰金を課した。 今回の罰金額は、この法律違反での上限の罰金額となる55万ドルよりも大幅に下げられた。 (Source: ABC, 05/05/09 "Jetstar fined $148k for breaking airport curfew")

05月06日2009年 政策金利を3%のままで据え置き − 豪準備銀行

  オーストラリア準備銀行(RBA)は、政策金利を現在の3%のままで据え置くことになった。 今日発表されたこの据え置きの決定は、「中央銀行が政府による財政支出の効果を見極めるのではないか」との多くのエコノミストたちの予想と一致している。 またエコノミストたちは、来週火曜日に発表される連邦政府の来年度予算を、借り入れ金利を据え置く大きな要因として関心を寄せている。 
  オーストラリアの金利は、昨年9月から4.25%引き下げられており、過去49年間で最低のレベルとなっている。 先月は政策金利を0.25%引き下げている。 今回の金利据え置きの決定は、RBAによる市場への楽観的な見方を反映したものかもしれないが、一部のエコノミストたちには「今年の末までには金利が2%になるのでは」との意見もある。 失業率の増加や経済指標の悪化が、今後RBAに金利の更なる引き下げの圧力をかけることになるかもしれない。 (Source: ABC, 05/05/09 "Interest rates stay on hold")

05月06日2009年 4月としては1957年以来の寒い朝となる − メルボルン

  今朝のメルボルンは過去50年以上で最低の気温を記録した。 天気予報士のジェームス・テイラー氏は、「メルボルン郊外の気温は0度から2度の間で、東部はもっと気温が下がった。 Coldstream地域やYarra Valleyでは零下2.7度になり、メルボルン市内は2.9度で4月としては1957年以来の気温となった。 今朝のMt Hotham地域は、過去最低となった昨日の零下8.2度よりは上がっている。 寒冷前線が明日、ビクトリア州を通過し風が強くなる。 今日の最高気温は17度くらいで少し寒くなる」と話した。 Mount Buller地域では今週末スキーシーズンが始まり、過去45年間で一番早い開幕となる。 (Source: ABC, 30/04/09 "Melbourne records coldest April morning since 1957")

05月06日2009年 政策金利を過去最低の2.5%に − ニュージーランド準備銀行

  ニュージーランドの中央銀行は世界的な経済危機の影響を受けて、政策金利を0.5%引き下げて、過去最低の2.5%とした。 
  ニュージーランド準備銀行のアラン・ボラード総裁は、「政策金利となるOfficial Cash Rate(OCR)は、来年後半まで上げることはない。 今回の金融危機や経済危機の規模を考えると、経済が回復するまでには時間がかかる。 我々は景気を刺激するさらなる手段を検討している。 政策金利は2010年後半まで現在のレベルかそれ以下になる」と話した。 今回の政策金利は、1999年に導入されてから最低となっている。 (Source: ABC, 30/04/09 "NZ cuts rates to record low")